特別講演

タイトル The Task-based Lesson
講   師 Dr. Rod Ellis(Curtin University; Perth, Australia)
概   要 The talk begins by defining what a ‘task’ is and distinguishing a task from an exercise. It then provides a rationale for task-based language teaching by explaining the importance of incidental and implicit language learning. The main part of the talk describes how teachers can build a lesson around a task. Starting with an example of a lesson plan for a task-based lesson, various options for the three phases of a lesson – the pre-task phase, the main-task phase and the post-task phase – are described and illustrated. A task-based lesson provides opportunities for students to function as learners in the pre-task and post-task phases and communicators in the main-task phase.
講師プロフィール Rod Ellis is currently a Research Professor in the School of Education, Curtin University in Perth Australia. He is also a professor at Anaheim University, a visiting professor at Shanghai International Studies University as part of China’s Chang Jiang Scholars Program, and an Emeritus Professor of the University of Auckland. He is a fellow of the Royal Society of New Zealand. His published work includes articles and books on second language acquisition, language teaching and teacher education. His latest books are Reflections on Task-based Language Teaching (Multilingual Matters, UK) and Introducing Task-based Language Teaching (TEFLIN, Indonesia). He has held university positions in six different countries and has conducted numerous consultancies and seminars throughout the world.

課題研究フォーラム1年目

担当:北海道英語教育学会

タイトル 中学校におけるコミュニケーションタスクの実践−教科書に対応した活動の開発と授業展開−
登壇者 コーディネーター:山下 純一(函館工業高等専門学校)
提案者 志村 昭暢(北海道教育大学)
臼田 悦之(函館工業高等専門学校)
小野 祥康(北海道教育大学附属旭川中学校)
概  要  北海道英語教育学会Speaking 研究会では,2009年からTask-Based Language Teaching(TBLT)の理論に基づいた英語教育について研究を行ってきた。その中で,英語教科書におけるコミュニケーション活動について,どの程度タスクを志向しているかという視点による分析を行ってきた。現在はこれまでの研究から得られた知見を基に,タスクを志向したコミュニケーション活動の作成を行うと共に,実際の英語授業の中で,どのようにタスクを利用できるかという,実践的な研究も行ってきた。本課題研究フォーラムでは,2年継続の1年目として,タスクを志向したコミュニケーション活動とはどのようなものなのか,そして実際の英語授業ではどのように活用できるかについて,実際の中学校の授業を紹介しながら,その成果や課題について考えていきたい。

担当:四国英語教育学会

タイトル 特別支援教育的視点を取り入れた英語授業
登壇者 コーディネーター:多良 静也(高知大学)
提案者 鈴木 恵太(岩手大学)
柴田 あすか(高知市立城北中学校)
上岡 清乃(北里大学大学院)
堂元 文(高知県立高知西高等学校)
概  要  学習障害(Learning Disabilities: LD)とは,全般的な知的発達に遅れはないが,聞く,話す,読む,書く,計算する又は推論する能力のうち特定のものの習得と使用に著しい困難を示す様々な状態像を指す。文部科学省(2017)の調査によると全国の小中学校に在籍する児童生徒のうち,発達障害等により通級指導を受けている者は約11万人であり,そのうちLDは15.2%を占め,かつ,この割合は年々増加傾向にあるという。
 全国英語教育学会第43回島根研究大会基調講演の講師である竹田契一氏は,日本の英語教育に対して,LDのために日本語もままならない状態の児童生徒が英語学習を行う際に担任教師が冷静に,そして,適切に対応できるのかと疑問を呈している。LDを背景に持つ,英単語が正しく書けない児童・生徒に対して「100回書いたら覚えられる」といった指導は,特別支援教育的視点で考えた場合,苦痛だけが伴う無意味で効果のない指導となってしまう。
 こういった教育的な背景を受け,この課題研究フォーラムでは,(1)教育的・医学的な観点から学習障害についての概念整理を行い,(2)児童・生徒の認知特性に応じて行ってきた個別の指導と集団における指導の実際を報告する。そして(3)児童・生徒の読み書き障害について発表者らが作成した紙媒体のアセスメント法を紹介する。最後に,特別支援教育的視点を取り入れた英語授業について留意すべき点をまとめた上で,参加いただいたフロアと意見交換を行いたい。

課題研究フォーラム2年目

担当:九州英語教育学会

タイトル アクティブラーニングを考える−「対話的な学び」を活性化する教育実践−
登壇者 コーディネーター:柳井 智彦(大分大学)
提案者 甲斐 しのぶ(大分市立坂ノ市中学校
石橋 俊(佐賀県立小城高等学校)
土屋 麻衣子(福岡工業大学)
概  要  本課題研究1年目(京都研究大会)では,沖縄のグループが,小・中・高・大の段階におけるアクティブラーニングの具体を提示し,好評を博した。2年目である今回は,「対話的な学び」にフォーカスして提案する。「主体的・対話的で深い学び」のうち「対話的な学び」は学習指導要領の歴史上でも斬新なキーコンセプトであるからである。
 「対話的な学び」は単にペアで教科書の対話文を練習することではない。学びの活動に次のような要素,すなわち,「協働」「自分の考えを広げ深める」「意見交換・議論」「新たな考え方への気づき」「自分の考えをより妥当なものへ」などの要素(これらの要素は文科省の資料より)がどの程度含まれているかがポイントとなる。発表では,どのような英語授業によって「対話的な学び」が活性化するのかを,中・高・大の教育現場から提案する。

担当:関東甲信越英語教育学会

タイトル 日本人高校生の名詞句把握能力はどのように伸びていくのか第2弾 −名詞句把握テストとライティングテストから見えてくること−
登壇者 コーディネーター兼提案者: 伊藤 泰子(神田外語大学)
提案者 鈴木 祐一(神奈川大学)
臼倉 美里(東京学芸大学)
矢部 隆宜(目白研心中学校・高等学校)
冨水 美佳(東洋大学京北中学高等学校)
加藤 嘉津枝(日本大学)
砂田 緑(日本大学)
青田 庄真(筑波大学)
概  要  関東甲信越英語教育学会の研究推進委員会では,日本人高校生の英語力の実態調査を行っており,昨年の全国英語教育学会(京都研究大会)課題研究フォーラムでは日本人高校生の名詞句把握能力の実態について発表した。本フォーラムはその発表の延長に位置するものとして,名詞句把握能力調査の2年目のデータによって見えてきた経年変化や,新たに実施したパフォーマンステストの結果を発表する。
 この研究では,前置詞句やto不定詞に後置修飾された名詞句に,分詞や関係節に修飾された名詞句を加えた「Koukousei Billy’s Test(KB Test)」を作成し,関東圏の学校に通う高校生(約400名)に1年次1学期より毎学期受験してもらっている。昨年の課題研究フォーラムでは高校1年生を対象に年間3回に渡り実施したKB Testの結果を発表したが,同じ高校生が2年生になってからもKB Testを受験しており,本フォーラムではその2年目のデータを加えた分析結果を報告する。さらに,「名詞句把握能力については実態がわかったが,名詞句把握能力が実際のパフォーマンスにはどう関わっているのか」という疑問が現場の教員から出たため,パフォーマンステストとしてライティングテストも実施した。その分析結果を通して,名詞句把握能力とパフォーマンスとの関係を探る。

授業研究フォーラム

担当:中部地区英語教育学会

タイトル 英語教育における研究授業後の検討会のあり方について
登壇者 コーディネーター:田中 武夫(山梨大学)
提案者 藤田卓郎(福井工業高等専門学校)
木 亜希子(青山学院大学)
滝沢 雄一(金沢大学)
永倉 由里(常葉大学)
酒井 英樹(信州大学)
清水 公男(文京学院大学)
吉田悠一(松阪市立久保中学校)
山岸 律子(白山市立美川中学校)
宮崎 直哉(掛川市桜ヶ丘中学校)
河合 創(福井市立大東中学校)
概  要  研究授業後の検討会(協議会,研究会)は,授業者および参加者の実践を振り返り,教師の成長および授業改善を促す意味で重要な役割をもつ。英語科のみならず他教科の実践においても,様々な形で検討会が行われている。しかし,研究授業後の検討会に関する議論はあまり多くなく,とくに,英語教育においてどのような検討会が,教師の成長および授業改善に結びつくのかといった議論は多くない。
 中部地区英語教育学会の課題別研究プロジェクト(2014年から2017年)では,英語教師が日々の実践の中で行う実践研究の研究方法に焦点を絞り,そのあり方を議論したが,本フォーラムでは,実践者が行う実践研究の延長線上にある,研究授業後に行われる検討会に焦点を移し,教師の成長および実践改善につなげるための方策の1つとしての検討会のあり方について考えてみたい。
 本フォーラムでは,研究授業後の検討会に関する先行研究を整理し,大まかな話題を提示した後,私たちが検討会において直面する具体的な課題について公開インタビューの形で提案者に語ってもらう。とくに,研究授業後の検討会は,これまでどのような形で行われているのか,これまでの検討会の問題点は何か,検討会の理想像はどのようなものか,などを議論する。提案者からの意見をもとに,今後の英語教育実践において,どのようなことに配慮して研究授業後の検討会を行っていけばよいのか,フロアーの参加者と議論することにしたい。

担当:中国地区英語教育学会

タイトル 「深い学び」を実現する英語授業
登壇者 コーディネーター:樫葉 みつ子(広島大学)
提案者 提案者:西原 美幸(広島大学附属小学校)
提案者:若本 綾子(広島県竹原市立吉名学園)
提案者:着藤 文恵(徳島県吉野川市立鴨島東中学校)
概  要  教え中心から学び中心へと授業観の大きな転換を求められる今,基礎的な知識・技能の習得段階にある小学校・中学校の英語科での「深い学び」を実現する授業とはどうあるべきか。また,授業者は,授業づくりを通して何を学び,どのような困難を経験し,どのような希望を見出すのか。
 このフォーラムは,提案者による小学校・中学校での実践事例の紹介と,参加者の対話から,児童生徒の英語授業における「深い学び」の内容や方法への理解を深めることを目的とする。さらに,授業者側の学びに焦点を当て,授業に対する知識や信念の変化について,実践事例の提案者へのインタビューによって明らかにすることを目指す。
 実践事例の提案は,多様な環境で教鞭を取っておられる,指導経験豊かな先生方にお願いした。まず,小学校における事例として,西原美幸先生(広島大学附属小学校)に,広島大学附属小学校CLIL型単元・授業開発の一部をご紹介いただく。次に,中学校における事例として,若本綾子先生(広島県竹原市立吉名学園)に,小規模の義務教育学校における,県の研究指定を受けての実践,着藤文恵先生(徳島県吉野川市立鴨島東中学校)に,中規模の中学校における,このフォーラムのための新たな取り組みをご提案いただく。教師が変われば授業が変わると言われる。フォーラムの中では,実践の具体だけでなく,提案者の持つ授業観や生徒観にも耳を傾けていただきたい。

ワークショップ

(1)英語授業におけるICTの活用

講  師 吉田 晴世(大阪教育大学)
概  要  次期学習指導要領では,各教科の見方・考え方に基づいた主体的・対話的で深い学びを実現する授業づくりに対して用いることのできるICT環境が欠かせないとしている。
 英語教育におけるICT活用とはどういったものなのか。その長所と短所を解説し,さらに,SNSの位置づけと教育的意義,タブレットPCとスマートフォンの違いとそれぞれの教育的活用法について説明する。
 続いて,アクティブラーニングの有効な手段となりうる,オープンソースWeb教材“Kahoot!”と“Quizlet”の問題作成方法ならび,授業への組み込み方についてのワークショップを行う。
 “Kahoot!”は,教師のPCと個々の生徒のディバイスを繋いで,リアルタイムで2〜4択の時間制限付きクイズを出すものである。簡易に作成でき,即時フィードバックを与えることが可能で,個々人だけでなく,グループでの活動も可能である。
 “Quizlet”は,学んでいることやこれから学ぼうとすることを練習し,習得する自宅学習用ソフトウェアであり,自分で単語カードと学習セットを作るか,他の学習者が作成した既存セットから選ぶこともでき,反転授業としての活用も可能である。(参加者は,スマートフォンをご持参ください)

(2)スピーキング力の評価と指導

講  師 高田 智子(明海大学)
概  要  話すこと(発表)の評価と指導について,3段階の「逆向き設計」(ウィギンス&マクタイ,2005)に従い,この順に考えていく。高校卒業段階で求められるレベルが必修科目でCEFRのA2相当であることから,A2に焦点をあて,スピーチの評価と指導を扱う。学習到達目標の設定およびテスト作成のポイントを解説し,実際のスピーチ音声を参加者が評価することを通して,A2の発話の質的特徴を明らかにしていく。こうして目指すレベルのイメージをつかんだ後,そこに到達するための指導について考える。そのさい,「思考力,判断力,表現力」の育成を支える「知識及び技能」も含めてディスカッションを行いたい。以上を3段階の「逆向き設計」で示すと次のようになる。
 第1段階:求められている結果を明確にする ⇒学習到達目標の設定
 話すこと(発表)について,学習指導要領が中・高等学校で目指す目標,扱う内容について確認する。次に,学習指導要領に基づき学年ごとの学習到達目標を設定する場合に考慮すべき要素を解説する。
 第2段階:承認できる証拠を決定する ⇒評価基準の設定
 1で設定した学習到達目標に到達したことを確認するテストおよび評価基準を紹介する。参加者は実際にテストをやってみた後,サンプル音声を聞いて評価し,判定理由をグループで話し合う。
 第3段階:学習経験と指導を計画する ⇒指導計画,指導案の作成
 A2に到達するための指導について話し合う。

(3)実践論文の書き方

講  師 今井 理恵(新潟医療福祉大学)
概  要  指導や授業の改善に役立てる目的で,教師が英語授業で行った指導実践の内容をアクションリサーチなどの手法を用いて記録しつつ,自身であるいは同僚教師間で省察・共有したのち,これを口頭または紙面で公表する授業実践研究は,日本の学校教育の優れた特色の一つである。学校英語教育においても,長い間その改善・発展に大いに資してきた研究分野である。全国英語教育学会の学会誌ARELEでは,授業実践研究を紙面で公表する際,研究論文とは一線を画するものとして長年これを「実践報告(practical report)」としてきた。しかし2017年に,実践研究は英語教育における理論や実証の研究と比較した場合,相互に上下,優劣の差はないとの考えから,「実践報告」の名称は「実践論文(pedagogical articles)」と変更された。このことは,これからの英語教育において,授業実践研究が授業改善や教師の指導力向上につながると,公式に認められたことを意味するであろう。本ワークショップでは,実践論文の重要性や求められる理由を再考する。さらに,多くのすぐれた授業実践が論文として公表されるように,実践論文というテクストをジャンル準拠の考え方で捉えなおし,実践論文には何をどのように,どんな型で書いたらよいかを考えたい。本ワークショップは,中・高で授業実践を行っている教員及び大学等において実践論文の執筆を考えている教員を対象とする。

シンポジウム

テーマ 日本の英語教育の将来:英語教育における「主体的,対話的で深い学び」とは何か?
コーディネーター 長ア 政浩(高知工科大学)
パネリスト 和泉 伸一(上智大学)
太田 洋(東京家政大学)
峯島 道夫(新潟県立大学)
概    要  社会の変化が人間の予測を超える進展をする中,我が国の学校教育は「主体的,対話的で深い学び」(アクティブ・ラーニング)をキーとなるコンセプトにすえて,未来に備えようとしている。中央教育審議会答申(2016)には「子供たちは,主体的に,対話的に,深く学んでいくことによって,学習内容を人生や社会の在り方と結びつけて深く理解したり,未来を切り拓くために必要な資質・能力を身に付けたり,生涯にわたって能動的に学び続けたりすることができる。こうした学びの質に着目して,授業改善の取組を活性化しようというのが,今回の改訂が目指すところである。」とある。近年の英語の授業では,児童生徒の主体的な活動や実際のコミュニケーション場面を想定した活動が展開されるなど,他の講義型授業が多い教科に比べるとアクティブであるという側面はあった。一方で,英語教育における「主体的,対話的で深い学び」とは何かと問われると,まだ十分に共有されたものがあるとは言えないのではないか。英語教育における「主体的,対話的で深い学び」とは何か,そして,そのためにどのような授業改善が求められるのだろうか。指導内容の見直しに留まらず,学び方や学ぶことの本質,生きていく上で求められる見方や考え方までを見据えた今回の改訂の方向性について,パネリストのそれぞれの立場からの提案を柱として,参加者からの発言も取り上げながら,議論をしていきたい。

大学生・大学院生フォーラム

1日目 大学生・大学院生のための交流の場
司  会 森 好紳(白鴎大学)
2日目 大学生・大学院生のための文献調査支援セミナー
講  師 細田 雅也(東京都市大学)
概  要  弘前研究大会における本フォーラムは,大会2日間の昼休みを利用して行われます。大会1日目には参加者の皆さんで昼食をとりながら,研究分野や希望進路別にグループを作り,情報交換や交流の場を提供します。大会2日目には学生向けの文献調査支援セミナーとして,タブレットを活用した論文の読み方や,クラウドサービスを利用した文献の情報管理など,研究を進めていくにあたって役立つ情報をできる限り提供します。

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